02 お客さまに愛されるシネコンを目指して。 久保 正則 映像事業部 劇場運営部 1993年入社
PROFILE

大学で学んでいたのは工業化学。白衣を着て実験を繰り返す日々だった。その分野の研究はおもしろく感じていたが「これを仕事にはしたくない」と、まったくかけ離れたエンターテイメント業界で就活を行った。現在、入社24年目のベテラン。劇場運営部長、映像事業部副事業部長を兼任し、執行役員にも名を連ねている。

入社動機を教えてください

 新規映画館の立ち上げと既存映画館の運営を、劇場運営部長として統括しています。私が入社した1993年は、米国から複合映画施設シネマコンプレックス(シネコン)が日本に上陸した年でした。1館で複数のスクリーンを持ち、効率的かつ戦略的に集客・発券・売上管理のできるシネコンは、日本の映画興行会社にとってまさに黒船でした。当社は業界でもいち早くシネコン時代の到来を察知し、98年に国産シネコンの1号店「109シネマズ港北」(横浜市)を立ち上げました。手探りで行ったその立ち上げに若手社員として携わり、以後約20年にわたってシネコンと共に歩んでいます。2017年3月現在、109シネマズチェーンは全国に19施設を開業しています。

やりがい、面白さを感じる瞬間

 新しい事業所を立ち上げるときは、いつもわくわくします。オープン初日、お客さまがなだれ込むようにロビーに入ってくる瞬間は格別です。
 私はIMAX®デジタル導入のプロジェクトリーダーでした。2009年にIMAX®デジタルシステムを日本に初めて取り入れたのは、「109シネマズ川崎」でしたが、世界ではすでに米国を中心にIMAX®デジタルという“新たな感動”が展開され始めていたところでした。
 日本には、かつて70mmフィルムの大型IMAX®シアターが存在していましたが、コンテンツや運用などの問題もあり、普及していきませんでした。それが映画のデジタル化が進んだことによって、そのような大きな問題は解決されていくわけです。しかし、「一度普及しなかったものが受け入れられるのか?」と業界は懐疑的でした。
 そんなとき、現社長の菅野が、こう決断したのです。「こんな素晴らしい上映システムを日本のお客さまが体験できないのは残念だ。」「こういう新しい優れた技術を導入していかなければ、映画業界は発展しない。」と。その結果は、皆さんが良くご存じですよね。

この仕事の難しいところ

 自社の利益だけ追い求めていると、その事業は長い目で見れば失敗に終わります。けれど「お金を稼ぐ」という行為は、世の中のためでもあり、社会貢献という側面を持っているのも事実です。自社と社会全体、双方のバランスをとることはとても難しい。そのためには木を見るのではなく、森を見る。あらゆる仕事において、そうした視点を持ち続けることが大切だと考えています。
 映画館は100年以上の歴史を持つ娯楽施設です。基本的な楽しみ方はずっと変わりません。けれど昔のスタイルを守り続けるだけでなく、新しい楽しみ方も提供していかないといけない。それに挑戦することが私たちの仕事です。映画館とは可能性にあふれた装置です。難しいけれど、そこにやりがいを感じますね。

今後の目標

 業界のトップシェアを取りたい、店舗数をもっと増やしたい、…とは思っていません。映画業界全体を見れば、シネコンの増加に売上げが比例しておらず、いまは各社でお客さまを奪い合っている状態です。かつて年間10億人を超えていた国内の映画人口は、テレビを始めとする娯楽の普及で急激に落ち込み、90年代以降は1億数千万人のままほとんど動きがありません。このまま似たようなシネコンを開業しているだけでは業界全体が尻すぼみ、共倒れてしまいます。
 今後の目標は、業界全体の発展を視野に入れ、お客さまに愛される劇場作りを行うことです。人と人が共感しあえるエンターテイメント空間。それを提供し続けることが、私たちの使命だと考えています。

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