大学2年生の時から映画館をつくるのが夢だった。また、情報コミュニケーション学科で都市社会学を専攻していたこともあって、東急レクリエーションが手掛けるさまざまな事業に興味を持ち、入社を志望。3年半経営企画室で働いた後、財務部へ。休日は趣味のプロレス観戦に出かけたり、映画を観たりマンガを読んだりして過ごす。
最初に本配属となった経営企画室では、会社の中期経営計画の作成や予算・決算監理などに携わっていました。また、日々社内各部門や全事業所で算出される数字や事業構造と向き合い、何か課題や問題が生じた時にはそれを分析・検証して資料を作成し、経営層と営業部門の間に入って双方の想いを伝えたり、調整したりする機会もありました。
その後、現在は財務部門で会社の資金繰りと資金調達を担っています。毎月・毎年の決算数字から各事業の課題や現状を読み解き、会社として時にブレーキを、時にアクセルを踏んでもらえるような判断材料をつくって提供するのも大事な役目です。ひとつのプロジェクトなどに割けるお金や人員、どこを成長させてどこをセーブするかなど、経営のビジョンに関わることを常に判断する必要があるため、経営企画室での経験がフルに活きています。
資金調達については会社の現状と今後の事業展開のポテンシャル、数十年単位での融資の返済の見通しなども考慮しながら、社内外の関係者と交渉・調整を行っています。たとえば大規模な「新宿TOKYU MILANO」再開発プロジェクトが進行していますが、コロナ禍で社会構造が大きく変わり、人々の消費行動も停滞しているなか、それでも良いものをつくりあげるため、ビジネスとして飛躍させるためには一体どこにどう投資を行うべきなのか――。これは非常に難しい判断ですが、各事業部門を社内から支援・管理する私たちの分析能力が問われるところであり、おもしろい仕事だと感じています。
また、財務面から業界分析を行うこともあります。たとえば映画市場全体のトレンドの推移や各種データから今後の予測を立て、それを各事業部や経営層に伝えて何らかの意思決定の材料をもらう仕事も難しい部分ではありますがやりがいを感じています。
当社には、やる気さえあって自ら手をあげればさまざまな挑戦のチャンスを得られる環境が整っています。たとえば私自身、本業のかたわら「大人の自由研究」という企画を経営層に提案し、実現させることができました。これは複数の社員同士でチームを組み、業務時間内に集まって興味ある事柄について探求することを社内制度化する、というものです。
この企画を思い立ったのは、経営企画室の業務を通していろんな事業部門を見てきたこともあって、日常的に部署や年次の垣根を超えた交流や情報交換、学びの機会が必要だと感じたからです。人事部門にも協力してもらってその想いとコンセプトを経営層に伝えたところ、さっそく試験的にスタートすることが決まりました。現在、3つのチームが発足し、それぞれ独創的なテーマの勉強会を通じて交流を深めているところで、今後の展開が楽しみです。
本配属から約5年、一般管理部門から当社の各事業部門を見てきて実感しているのが、映画館運営を主軸にしている企業でここまで多岐にわたる事業を展開しているところはまずないということです。相互連携で新たな事業を生み出すこともできるし、時代を先取りした取り組みも数多く手掛けているので、それを経営企画や財務の視点から支援したり、経営数字に落とし込んだりすることにも面白みがあります。これまで私は自社の事業の全体像を俯瞰して捉える機会の多い業務についてきたので、いずれはこの経験と知見を事業部門で活かしたいと考えています。
また、今年から新人のメンター役も務めることになったので、若手のうちから自分の意見や想いを積極的に発信できるよう後押しするとともに、私自身もそのやりとりを通じて成長していきたいと考えています。
※所属は取材当時のものです。